2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ニーチェ 権力への意志 上 p.054

これまで退化の原因とみなされていたものは、その結果である。 寸評 原因と結果は区別するのは困難であり、解釈に委ねられる他ない。

ベン-ブラット 数字が明かす小説の秘密 pp.356-7

そして、パターンを観察していると、そのパターンが破られたり、新しい見事なアイディアがこの世界に飛び込んできたりする、美しい瞬間に出会えるのだ。 寸評 この本の素晴らしさを一言で、まとめた名文といえよう。

ベン-ブラット 数字が明かす小説の秘密 p.327

最初のセンテンスが小説全体より有名というわけではないし、簡潔さだけが書き出しを偉大にしているわけでもない。 寸評 『走れメロス』の「メロスは激怒した」は例外的な事例なのかな?

ベン-ブラット 数字が明かす小説の秘密 p.272

ブラットベリのお気に入りの単語は「シナモン」だったが、彼が気づいていたかはともかく、「スペアミント」こそ最上位に記録されなければならないのである。 寸評 好きな人の名前を手帳の片隅に書くように。

ベン-ブラット 数字が明かす小説の秘密 p.229

文のはじめの単語を変えることは、連続する文が同じ構造になってしまわないようにするための確実な方法だったのだ。 寸評 なるほど、しかし一文では、その効果がわからない。

ベン-ブラット 数字が明かす小説の秘密 p.169

楽観的に見れば、政治がより広い聴衆にまで届いてきているとも言える。 寸評 聴衆が愚かになっているだけのこと。

ベン-ブラット 数字が明かす小説の秘密 p.110

作家たちがジャンルを変更し、自らの正体を隠そうと試みても、それで文体を隠せるということにはならないのだ。 寸評 作家たちが、意図的に偽装してでも、ということなのだろうか?

岸見一郎 嫌われる勇気 p.261

しかし、あえて「普通であること」を選ぶ必要などありますか? 寸評 特別な存在になりたいのは注目を浴びたいわけであって、「普通であること」は注目を浴びないことであり、それは他者からの評価を気にする必要もない、ということだろうか?

岸見一郎 嫌われる勇気 p.134

適切な行動をとったら、ほめてもらえる。 寸評 これは、まさにスキナーのオペラント条件付けであり、ここに自由はなくなる。

岸見一郎 嫌われる勇気 p.120

他者のせいにしたり、環境のせいにしたりすることで、人生のタスクから逃げている。 寸評 確かに、周囲に押し付けて考えることは、みずからの成長の可能性を消している。

岸見一郎 嫌われる勇気 p.103

相手はただあなたを非難し、挑発し、権力争いを通じて、気に食わないあなたを屈服させたいのです。 寸評 同じ怒りでも、ただ勝ちたい、それ以外、何の意味もない争いがあって、それが最近の戦争にも言えないか?

岸見一郎 嫌われる勇気 p.37

問題は「なにがあったか」ではなく、「どう解釈したか」であると? 寸評 確かに、それは言えてる。

吉野源三郎著 君たちはどう生きるか p.330

この作品にたいして、またこの作品に凝集されているようなあなたの思想にたいして「甘ったるいヒューマニズム」とか「かびのはえた理想主義」とか、利いた風の口を利く輩には、存分に利かせておこうじゃありませんか。

吉野源三郎著 君たちはどう生きるか p.199

何百という生徒が黒い流れになって校舎へ吸い込まれていったあとには、さんざんに踏み荒らされた雪の広場が残りました。 寸評 生徒を黒い流れという無個性な表現が、この著者は好きらしく、言葉を変えつつ、随所に見られる。

吉野源三郎著 君たちはどう生きるか pp.113-114

浦川君を喜ばせるためなら、どんな約束をしてもいいという気持ちでした。 寸評 純真無垢なこころ、ここにあり。

斜線堂有紀 ゴールデンタイムの消費期限 p.279

完成した小説を持って、秋笠の部屋に向かう。 寸評 まさか秋笠がこうなるとは。。。

斜線堂有紀 ゴールデンタイムの消費期限 p.259

秋笠が歌うようにそう口にする。 寸評 さすがヴァイオリン奏者の秋笠と思わせるところだ。

斜線堂有紀 ゴールデンタイムの消費期限 p.232

自分の才能に振り回されることなく、ただ愛によってヴァイオリンに向き合う彼女は、今でも『天才』ではあるのだろう。 寸評 天才とは何なのか、きっと自分に陶酔するところに近いのではないか?

斜線堂有紀 ゴールデンタイムの消費期限 p.187

考えが纏まらないまま、綴喜はのろのろと支度を始めた。 寸評 こういうことはよくあることだ。

斜線堂有紀 ゴールデンタイムの消費期限 p.163

幸い綴喜文彰の消費期限は切れておらず、依頼自体は色々な出版社から貰っていた。 寸評 消費期限を才能にまで拡張することに違和感を感じる。

斜線堂有紀 ゴールデンタイムの消費期限 p.93

ディープ-ブルーと名付けられたスーパーコンピューターは二億手の先読みをして人間を圧倒したという。 寸評 人工知能は、とかく、ゲームを詰まらないものにしてしまう。

斜線堂有紀 ゴールデンタイムの消費期限 p.61

新作を出さないと小説家ではいられない。 寸評 一度でも売れてしまうと、周囲からの期待に応えられずに、自爆してしまうことのなんと多いことか。

斜線堂有紀 ゴールデンタイムの消費期限 p.6

それでも、綴喜は一日一冊本を読み、二日に一本映画を観ることを自分に課している。

岡本裕一朗 教養として学んでおきたいニーチェ p.30

ナチスにせよ、自己啓発にせよ、ニーチェの使うワードが強く、メッセージ性を持つがゆえに起こったことだと言えるかもしれません。

草薙龍瞬 反応しない練習 p.165

そうした、人によって異なる人生について、勝ち組だとか負け組だとか、優れているとか劣っているとか、相手は「持っている」のに、自分は「何かが欠けている」と考えているのは、まさに間違った「執着」「妄想」ゆえです。

草薙龍瞬 反応しない練習 p.145

ブッダが教えるのは、心を見る(理解する)こと、反応に気づくこと。

草薙龍瞬 反応しない練習 p.93

たとえば、相手と言い争ったとします。

草薙龍瞬 反応しない練習 p.51

そうして、ラクになるのです。

草薙龍瞬 反応しない練習 p.26

「わたしには承認欲があるのだ」と、素直に受け入れてしまう。

岡本裕一朗 教養として学んでおきたいニーチェ p.117

つまりニーチェは『ツァラトゥストラ』の物語を悲劇ではなく、パロディであると理解し直したのです。